日本映画学会 設立趣意書

映画学(Cinema Studies/Film Studies)は、世界各地の研究教育機関で長い歴史を誇り、隣接諸学に広範な影響をあたえ、これまで大きな進展を示してきました。しかし残念ながら日本では長い間、映画学の学会が存在しませんでした。このことによる知的損失は日本の映画学と世界の映画学との交流を妨げてきたばかりでなく、さまざまな弊害を隣接人文芸術社会諸科学にもたらす結果となってきました。本来、映画学はメディア・スタディーズやカルチュラル・スタディーズの範となった学問領域ですが、近年では逆転現象が生じているのもその表れの一端です。そこで映画学徒の相互交流と映画学のより一層の深化と普及をはかるべく日本映画学会(The Japan Society for Cinema Studies)を設立することを提案する次第です。じっさいレフェリー制映画学会誌の不在は、長い間、若手ならびに中堅映画学徒の研究継続、助成金獲得、ならびに就職、昇進、転職に門戸を閉ざす格好となっていました。かかる弊害を鑑み、日本映画学会は自由な学問交流の場たらんとしています。